2x4四国支部

ツーバイフォー住宅は火に強い【ファイヤーストップ構造】

ファイヤーストップ構造

ファイヤーストップ構造ツーバイフォー工法は火のまわりを止めるファイヤーストップ構造

火の通り道となる床や壁において、枠組み材などが空気の流れを遮断し、上階への燃え広がりを防止します。

ツーバイフォー工法の内部構造は、床根太、枠組材などが一定間隔で組まれており、防火区域がいくつもつくられているのと同じ状態です。

この一つ一つの区画によって火の進行が遅くなります。

火災時に防火被覆(石こうボード)が万一突破されても、このように2重3重の防火機能をもつ「ファイヤーストップ構造」によって火のまわりが遅くなり、逃げる時間が確保されるため死者を出しにくく、初期消火の可能性も高まります。

出火した部屋から他の部屋へ火がまわらず、火が消えてしまうことも珍しくありません。

ファイヤーストップ構造とは:
ツーバイフォー工法や木質パネル工法などにおいて、壁パネル内の空気層を細かく区切ることで、壁内温度の急激な上昇を防ぎ、気密性を上げて酸素供給を断つことで燃えにくくさせる構造ののことです。

空気がないので火が消える構造

ツーバイフォーの3階建住宅で火災実験したところ、1階部分が燃え上がるまでに73分もかかりました

※消防車の出動から放水開始まで全国平均で約6分以内とされています。

これは、ツーバイフォー住宅は気密性が高いため、火が燃え広がらずに消えてしまうからだそうです。新鮮な空気がなければ火は消えてしまいます。

火事を出さないのが大前提ですが、ツーバイフォーの優れた耐火性は頼もしいです。

石こうボードでさらに耐火性能アップ

▲水蒸気を発生する石こうボード。 ▲火災現場:石こうボード裏側には火がまわっていません。
【写真・データ提供:株式会社東急ホームズ

ツーバイフォーでは、すべての天井や壁の内側全面に、厚さ12.5mm以上の石こうボードが貼られます。

石こうボードの中には約21%の結晶水が含まれていて、炎があたると熱分解を起こして約20分もの間、水蒸気を放出するという優れた特性を発揮します。このため火災が発生しても、天井裏や壁の内部の温度が上昇しにくく、構造材が発火点(約450℃)に達するまでの時間を大きく遅らせることができます。

また床・壁の内部に埋め込まれる断熱材も、火災時の熱が構造材に伝わりにくくし、石こうボードとともに木材の発火を遅らせます。これによりツーバイフォー住宅の耐火性は、さらに高くなっています。

火災保険料もお得なツーバイフォー住宅

ツーバイフォー住宅の場合、ほとんどが準耐火構造となり、火災保険料も安くなります。

一般の火災保険料率は損害料率保険算出機構が算出する「参考純率」を基準に各損害保険会社が定めています。適用料率は建物の構造所在地から基本料率を算出し、それに各種の割増や割引をしたものが適用されます。

このうち構造は、各損害保険会社により多少の表現の違いがあるものの以下に区分されており、A区分に近くなるほど火災保険料率は低くなります。

ツーバイフォー住宅の殆どは、A区分もしくはB区分の構造となります。

金額の差は、例えばA区分はD区分に比べ、基本料率が1/4程度となります。
 

構造 名称 耐火時間等
A 耐火構造 1時間耐火 (但し屋根、階段は30分耐火)
高性能準耐火構造 高性能準耐火構造の住宅の仕様
1時間準耐火構造 1時間準耐火構造の住宅の仕様
B 45分準耐火構造 45分準耐火構造の住宅の仕様
省令準耐火構造 省令準耐火構造の住宅の仕様
C 一般的な木造住宅 A、B、D以外の住宅
D 外壁木板張の木造等 A、B、C以外の住宅

* 独立行政法人住宅金融支援機構の業務運営並びに財務及び会計に関する省令で定める技術的基準に定められた仕様。

火災保険をご契約される場合は、施工会社または設計会社に耐火構造の区分について確認し、火災保険会社に相談するようにして下さい。

もらい火にも強いツーバイフォー住宅


※参考資料:「日本火災学会火災便覧」

隣家で火災が発生した場合、外壁の表面温度は800℃以上にも達するといわれますが、ツーバイフォー住宅はもちまえの優れた耐火性で類焼を防ぎます。


出火元住宅の解体後、姿を現したツーバイフォー住宅の西側の外壁。隣家との距離はわずか40cmであるにもかかわらず、表面の色がこげる程度の被害ですんでいる。
(静岡県支部提供)

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