ツーバイフォー住宅は地震に強い【6面体のモノコック構造】
在来鉄骨軸組工法 | ツーバイフォー工法 |
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加えた力が柱や接合部などに集中的に負担がかかる構造です。 | 「面」が揺れの力を受け止め、分散・吸収していることがわかります。 |
それぞれの建物の重さに比例した力を加えて、その伝わり方を比較した。
写真提供:大成建設株式会社 住宅事業本部(現 大成建設ハウジング株式会社)
上の比較は、ツーバイフォー住宅と在来鉄骨軸組工法の住宅の地震への強さを比較したものです。色が黄色・赤になるほど負担がかかっています。
手間をかけて複雑にすれば強いか、というと決してそうではないことがわかります。
6面体で支えるモノコック構造だから地震に強い
世界有数の地震国である日本において、住宅の「耐震性」はもっとも重要な基本性能です。
床・壁・屋根が一体となった6面体モノコック構造※のツーバイフォー住宅は、地震の揺れを面体で受け止め、吸収する構造です。地震力が接合部に集中することがなく、地震に対して抜群の強さを発揮します。
※モノコック構造
モノコック構造とは、外板に応力を受け持たせる構造のことで、応力外皮構造とも呼びます。
ギリシャ語で「ひとつの…」という意味の接頭語”mono”と、フランス語で「貝殻」という意味の語”coque”を組み合わせた合成語です。車体・機体のフレームの代わりに、外板に必要最小限の加工を施して強度剛性を持たせる設計のことで、内部空間を広く取ることができ、構造を簡素化することで軽量化にもつながります。
面構造は、シンプルで理にかなった構造であり、日本でツーバイフォー住宅が着実に増えている大きな理由はここにあります。
最近の在来工法では、耐震性を高めるために耐力壁を取り入れて面構造化(ツーバイフォー化)してきています。