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ツーバイフォー工法の社会福祉施設「明治清流苑」 | 大分県大分市


▲エントランスから丘の上にゆったりと佇む建物を見上げると、左右にのびるユニットが両手を広げているように見え、そのやさしい表情に心がやすらぐ


▲周りの自然環境に溶け込む外観全景。デザインのモチーフは地中海沿岸に建つヴィラ。土壁を思わせる外壁があたたかな雰囲気を醸し出す

特別養護老人ホーム「明治清流苑」(大分県大分市)

2006年7月1日、木造としてはわが国最大規模のツーバイフォー工法による特別養護老人ホーム「明治清流苑」が大分市にオープンした。

特養施設の建築は、ツーバイフォー工法が耐火構造の認定を取得するまで木造では不可能であっただけに、またかつてない規模の建物ゆえに設計・施工には数々の未知との戦いがあったという。

しかし、その完成は、今後の木造建築物の可能性を拡げる端緒として、日本の建築界のみならずツーバイフォーの本場カナダでも注目を集めた。

さらに注目すべきは、“そのやさしさ”である。
木の建物はそこに暮らす高齢者はもちろんのこと、働く人たちにもやさしい。
資源として再利用が可能な木材を用いることは、地球環境にやさしい。
そして、地域交流の場を設け、災害時の防災拠点ともなるべく計画された苑は、周辺地域に対してもやさしい。

苑を運営する社会福祉法人永生会清流苑理事長はこう語る。

「人が住まう場所として一番よい環境は、と考えたとき、すべての面でやさしさのある木造・ツーバイフォーこそ理想だという結論に達しました」

大正ロマンが漂う各ユニットはひとつの家庭。
リビングダイニングで集い、個室でくつろぐ
ユニットは計5カ所(1階1、2階4)。家庭的な介護を目指し、それぞれのユニットはひとつの家のように独立性をもたせ、ユニットごとに和のテイストのテーマ色を設定。中には広い廊下の左右に専用トイレ付きの居室が10室。くつろぎや食事の場として中央に共有のリビングダイニングが、廊下の突き当たりに談笑コーナーがある。(写真はショートステイ用のユニットだが、内部のつくりは特養部分も同じ)。

▲各ユニットはひとつの家と想定。それぞれのユニットの出入り口には引き戸が設けられている。インテリアはどこかなつかしい大正期の和洋折衷住宅のイメージ ▲おしゃれな扉を開けるとトイレ。省スペース化と介護しやすさを図るため便器を斜めに配置 ▲居室も和のテイスト。外にはバルコニーが続き大きな開口部から風が吹き抜ける

▲居室の入口は車いすで楽に通れる幅を確保。内には専用の洗面コーナーとトイレがある ▲各ユニットの中央部には開放的なリビング・ダイニングが。キッチンも併設され、家庭的な雰囲気 ▲デイサービス用の食堂兼機能回復室。和室や専用の浴室・トイレも完備 ▲戸外でくつろげる回廊風のバルコニーはデイサービスの利用者にも好評

概 要
法人名 :社会福祉法人 永生会
所在地 :大分県 大分市
施設定員:地階:地域交流スペース、歩行浴槽(温泉利用)、倉庫(災害用非常食等備蓄庫を兼ねる)
1階:ショートステイ用居室(13 室)、デイサービス用施設(最大 30 名収容)、 特養居室(7 室)、管理棟
2階:特養居室(4ユニット・各 10 室)
敷地面積: 6,931.84㎡
建築面積: 2,039.03㎡
延床面積: 4,469.23㎡
構造 :2階建て(RC地階) ツーバイフォー工法(耐火構造)
完成日 :2006 年 7 月 1 日
設計 :(有)吉高綜合設計コンサルタント
施工 :安藤建設(株)九州支店

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