ツーバイフォー工法の特養老人ホーム「りんどう麻溝」 | 神奈川県相模原市
ツーバイフォー工法による大規模木造建築物の事例です。
□ 計画の経緯
「特養老人ホームりんどう麻溝」は当初、鉄筋コンクリート造3階建てで計画が進められていましたが、収支計画においてよりコストパフォーマンスが高く、工期の短い計画が必要となり、耐火ツーバイフォー工法を検討することとなりました。
□ 耐火ツーバイフォー工法に決定した理由
- 計画地北側の住宅地へ配慮するため、住宅に近いデザインにしようと考えました。
- 地盤が地表下70cmに良好なローム層があり、耐火ツーバイフォーの2階建てであれば、建物重量が軽いので、杭地業なしでも建設可能となります。
- 敷地面積も十分で2階建でも設計要求事項を満足できました。
- ツーバイフォー工法の工期が早い(鉄筋コンクリート造の3/4程度)と予想されました。
- コスト的に、RC造よりツーバイフォー工法2階建が有利と判断しました。
□ 2階建ての施設としたことでの周辺環境への「親和性」
ツーバイフォー工法の2階建計画としたことにより、特に北側住宅地への日影等の影響を最小限に抑えることができるとともに、建物自体も、住宅の建築要素に近いため、住宅地に対して高い「親和性」のある施設とすることができました。
□ 木造公共建築物としての「木質表現」
木造施設として、「木材の素材感」を施設利用者の方に感じていただけるように配慮しました。「木」が直接目に触れ、その良さを実感出来るように、共用部の中心となる玄関ホールに「吹抜」を作り、その上部にツーバイフォーの構造用ランバー材を使用した「木製ルーバー」を設けました。「木製ルーバー」のおかげで光りも柔らかくなり、高齢者施設として「穏やかな空間」の演出となりました。
このデザインは、耐火構造であることとスプリンクラーの設置を前提条件として成り立っています。
開設年月:2010年11月
法人名:社会福祉法人直源会
所在地:神奈川県相模原市
事業内容:特別養護老人ホーム120名
ショートステイ10名
建築概要
工期:2009年11月~2010年10月(12ヶ月)
設計:(株)DAN総合設計
施工:西武建設(株)
敷地面積:7,919.6㎡
延床面積:6,397.5㎡(1,935.2坪)・・・・法床面積
施工床面積:7,112.5㎡(2,151坪)
構造:枠組壁工法・耐火構造
規模:2階建て
基礎:ベタ基礎