2x4四国支部

木のロマン | 海底遺跡より13世紀の木材


2012年3月27日、13世紀に日本に攻めてきた蒙古(モンゴル)軍の船団が沈没したとされる長崎県松浦市鷹島沖の海域が、日本で初めての海底遺跡「鷹島神崎遺跡(たかしまこうざきいせき)」として国の史跡に指定されました。

それに先立つ2011年秋、当時の船に使われていたと思われる木材がその海底で見つかりました。このことは木に関するロマンであるとともに、木の寿命の雄大さを感じさせます。

鷹島神崎遺跡は、2度にわたる蒙古襲来(元寇)のうち、2度目の弘安の役(1281年)で蒙古軍の船4400隻の多くが沈んだとされる場所で、指定される海域の広さは約38万4000㎡。長崎県本土北部、伊万里湾に浮かぶ鷹島の南岸東部に位置する神崎港地先に所在します。

この海域は、弘安の役の際に、元軍の船団が暴風雨により沈没した地点として伝えられており、鷹島南岸では、古くから地元の漁師によって壺類や刀剣、碇石などが水中から引き揚げられていました。

昭和55年度から開始された発掘調査では、船体の一部や、陶磁器類、漆製品、矢束、刀剣、をはじめとする武器・武具類などが多量に出土し、分析の結果、これらの遺物が弘安の役で沈没した元軍のものである蓋然性が高まっていました。


蒙古襲来は、鎌倉幕府を崩壊させる遠因となった日本史上重要な事件であり、遺跡から出土するさまざまな遺物は、従来、文献・絵画等によってしか知られなかった蒙古襲来の様相を具体的に明らかにしました。

このように鷹島神崎遺跡は当時の軍事・外交などを理解する上で極めて重要な遺跡ですが、その当時の沈没船の一部とみられる木材が現存していました。恐らく鉄ではこうはいかず、ボロボロになった残骸が粉々になって海底に散らばっているだけでしょう。改めて木の持つ生命力に感じ入ります。

〈写真は2点とも長崎県松浦市教育委員会提供〉

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