ツーバイフォー工法(枠組壁工法)とは?
ツーバイフォー工法は北米を起源とする木造建築工法の一つで、現代では世界でもっとも一般的な木造建築工法です。
シンプルで合理的であり、コストパフォーマンスに優れている(堅牢で暖かな、優れた性能の建物が安く建てられる)点などが世界中で受け入れられました。
日本では正式には枠組壁工法と呼びます。1974年に日本の建築基準法に技術基準が規定されたことから、誰でも技術基準に従い建設できるようになりました。
日本でもツーバイフォー工法による住宅は概ね年間10万戸が建設され、2018年には累計で289万戸を超えています。
ツーバイフォーの特徴:
ツーバイフォー工法は以下の優れた特徴を持っています。
面体の構造的強さ
ツーバイフォー工法は「面と線」により6面体で、建物を支えます。
「柱」や「梁」などを点で結合する在来軸組工法との一番の構造的な違いはここです。
ツーバイフォー工法は構造用製材でつくった枠組みに構造用面材(合板・OSB)を張り付けた「パネル」で床・壁・屋根を構成して建物を支えます。
耐震性・耐久性
ツーバイフォー住宅は地震での倒壊ゼロです。
東日本大震災にてツーバイフォー住宅の倒壊はゼロ、さらに98%が補修不要(津波被害除く)でした。阪神淡路大震災では倒壊ゼロはもちろん、被災したツーバイフォー住宅のうち96.8%が補修不要でした。(※残り3.2%は、地盤の移動・液状化及び隣家のもたれかかりにより住宅の一部が損壊したものです。)
» 東日本大震災のツーバイフォー住宅被害
» 阪神淡路大震災のツーバイフォー住宅被害
» 科学的に強い構造=ダイヤフラム
» 三次元振動実験
» ツーバイフォー工法は最高ランクの耐震設計にも対応
» アメリカのハリケーン対策に由来する、台風への強さ
日本で最初に建設されたツーバイフォー建築は大正時代とされます。
ツーバイフォー工法には日本でも100年を超える実績があり、その当時の建物が今も現存しています。
耐火性
ツーバイフォー工法建築物の主要構造部すべての部位が耐火構造の国土交通大臣の認定を受けています。(日本ツーバイフォー建築協会 – 平成16年4月20日)
防火地域での戸建住宅はもちろん、4階建ての共同住宅、さらには、老人福祉施設・幼稚園・保育所・医療施設などの社会福祉施設、ホテルや店舗など、ツーバイフォーによる多様な建築が可能です。
ツーバイフォー耐火建築で実現可能な建築物
- 延べ面積が3,000m2超、または階数が4以上の建築物(法第21条)
- 3階建て以上の特殊建築物(学校、病院、ホテル、共同住宅など)(法第27条)
- 防火地域の100m2超、または階数が3以上の建築物 (法第61条)
- 準防火地域の1,500m2超、または階数が4以上の建築物(法第62条)
- 上記建築基準法以外の法令等により耐火建築物を要求される老人施設や保育園等
2000年に建築基準法が大幅に改正され、木造でも性能を満たせば耐火建築物として建設可能となったことから、(一社)日本ツーバイフォー建築協会会員はカナダ林産業審議会と協力し主要構造部の耐火構造大臣認定を取得し、木造工法のなかでは最初(2004年)に耐火建築物として建設ができるようにしました。
(着工の目安となる認定書の発行数は累積で1,700棟を超えています。[2012年3月時点])
このことにより、ツーバイフォー工法はそれまでは主に小規模な戸建住宅や共同住宅として建設されてきたものが、住宅以外の用途も建設可能となり、近年では耐火建築物として高齢者福祉施設や幼稚園・保育所、医療施設、店舗などの施設建築が数多く建設されるようになってきました。
表1 施設系建築物(耐火建築)の建設状況
» ツーバイフォーの火災試験結果
木は、燃やしてみるとわかりますが、中まで燃えてボロボロになるまでにはかなりの時間がかかります。実際に燃やしてみたいくつかの実験結果をご紹介いたします。
高気密・高断熱
ツーバイフォー工法は、壁同士を組み合わせる構造のため、気密性を確保しやすい特長があり、高気密・高断熱に適しています。
特に、床面の施工後に壁を載せる「床勝ち」であり、日本で一般的な在来軸組工法のように、根本的に床下から冷たく湿った空気が上がってくる心配がありません。
在来軸組工法は、結露の原因となる壁内気流を止める気流止めなどの追加作業が国の指導で求められていますが、ツーバイフォー工法はそもそも壁に水や空気が侵入しにくい工法です。
(構造的に気流止めがなされているため、追加の気流止め作業は不要)
» ツーバイフォー住宅は高気密・高断熱しやすい
ツーバイフォー住宅は、構造体そのものを断熱化し易く、気密施工も容易なため、建物自体がもともと優れた断熱性・気密性を兼ね備えています。